
マニフェストの保存期間は5年。控えの整理と探しやすい仕舞い方
交付したマニフェストの控えは、どんどんたまっていきますよね。 「これ、いつまで取っておけばいいんだっけ」「もう捨てていい年度はどれだろう」と、ふと手が止まる書類です。
まずお伝えしたいのは、保存のルールはシンプルで、一度決めてしまえば毎年同じ動きでいいということです。 この記事では、保存期間の数え方と、立入検査が来ても慌てずに取り出せる仕舞い方を、確認しやすい順番で整理します。なお、ここでの「年度」は多くの現場で使う4月〜翌年3月を想定しています(自社の会計年度や報告書の年度に合わせて統一してください)。
結論:紙マニフェストの控え(A票・B2票・D票・E票など、戻ってきた票を含む)は、保存の起算日を次のとおりに押さえます。A票=交付日、B2/D/E票=送付を受けた日から5年間。電子マニフェスト(JWNET)は、記録がシステム側に残るため、原則として自分で票を保管する義務はありません。実務では「年度ごとにまとめて、5年分が並ぶように仕舞う」と管理が安定します(法令上は票ごとの起算が原則。年度末起算で運用する可否は、所管へ公式情報で確認を)。
迷ったときは、次の3つの順で押さえると整理しやすくなります。
- 保存するのは「どの票」で、期間は「いつから5年」か
- 紙と電子で、保管の考え方が違う
- あとから探しやすい仕舞い方にしておく
1. 保存するのは「戻ってきた票」、期間は5年

マニフェスト(産業廃棄物管理票)の控えは、廃棄物処理法で5年間の保存が求められています。
保存の対象になるのは、手元に残る控えと、戻ってきた票です。
- A票:交付したときに手元へ残る控え(起算=交付日)
- B2票:運搬が終わって戻ってくる票(起算=送付を受けた日)
- D票:処分(中間処理など)が終わって戻ってくる票(起算=送付を受けた日)
- E票:最終処分まで終わって戻ってくる票(起算=送付を受けた日)
法令上は票ごとに起算しますが、現場では「年度で1冊(箱)に束ね、年度末を基準に入替える」運用が回しやすいです。年度束ねで進める場合は、所管の案内に合わせてよいかを公式情報で確認しておくと安心です。
未返送票(B2/D/E)は、完了まで時間差が出やすいので、混ぜないのがコツです。
- 未完了の置き場を分ける:未完了トレー(または未完了ファイル)を用意し、案件ごとに仮置き
- 督促の履歴を残す:電話・メールの連絡日/相手/要点をメモ(紙でもExcelでも可)
- 例:未完了トレーに案件メモを挟み、対応したら日付と要点を追記。返送されたら本棚の年度ファイルへ移す
2. 紙と電子で、保管の考え方が違う

保存の手間は、紙か電子かで大きく変わります。
- 紙マニフェスト:戻ってきた票を、自分で5年間保管します。たまっていくので、整理の仕組みが大事です。
- 電子マニフェスト(JWNET):登録・報告の記録が情報処理センター側に保存されます。そのため、原則として自分で票を5年保管する義務はありません。
電子を使う場合の社内保全として、次を推奨します。
- 年1回、対象期間のCSV/PDFを出力して保存、または画面印刷を保管(証跡の代替)
- ID・パスワードや契約の有効性を継続管理(担当交代時の引継ぎも含めて)
紙と電子が混在している事業者は、「紙の分だけは控えを保存」「電子はデータ保全とアカウント管理」に切り分けると迷いません。電子への切り替えを考えている方は、電子マニフェストをはじめて使うときの不安を減らす進め方もあわせて見てみてください。 紙の票がどう戻ってくるのかをもう一度整理したいときは、マニフェストA票〜E票の流れと返送期限の数え方が参考になります。
3. あとから探しやすい仕舞い方にしておく
保存は「捨てないこと」だけでなく、「必要なときにすぐ取り出せること」までできて安心につながります。 崩れにくい基本と、スペースが厳しいときの代替をセットで用意しておくと、現場で止まりません。
- 年度ごとに1冊(または1箱)にまとめ、背に年度を明記
- 5年分が並ぶように配置(古い年度を端に寄せ、入替えを見える化)
- 並び順を固定(交付日順または取引先別)。見出し紙を入れると検索性が上がります(取引先別または交付日の四半期別)
- 簡易台帳(通し番号・取引先・交付日・所在の欄)を作り、番号で所在を引けるように
- スペースが逼迫する場合の代替:直近3年は棚、4–5年は箱・倉庫へ退避/背ラベルを年度ごとに色分けして入替えを容易化
- 「すぐ取り出せる」の基準は、台帳を使って5分以内に所在が分かれ ば合格
- 5年が過ぎた分は処分可。ただし、最終処分(E票)まで確認できているかは最後に一度だけチェック
交付状況の報告とあわせて整理したいときは、マニフェスト交付等状況報告書の書き方と提出先も参考になります。
現場で使えるチェックリスト
最低ライン(必須)
- 紙/電子(JWNET)の切り分けができている
- 年度1冊(または1箱)化し、背に年度表示がある
- 5年分を維持している(棚でも箱でも可)
- 未返送(B2/D/E)は別トレー・別フォルダで管理している
優先順位(上から着手)
- 年度化(1冊・1箱)
- 紙と電子の切り分け
- 未返送の別置き+督促記録
- 並び順の整備(取引先別または交付日順)
- 5年入替えの導線(古い年度を端に寄せる等)
できない時の代替
- 棚がなければ「年度ごとに箱1つ」+簡易台帳で検索可にする
- 直近3年のみ棚、4–5年は倉庫・外部保管でも可
- 取り出しは台帳で5分以内に所在判明すれば合格とする
免除条件
- 電子のみの案件はB2/D/Eの管理項目を対象外とする
- 少量排出は「年度1冊方式+台帳」で十分(案件順固定は任意)
電子(JWNET)の補足(推奨)
- 年1回のデータ出力(CSV/PDF)または画面印刷を代替証跡として保全
- ID・契約・担当権限の継続管理(引継ぎ含む)
委託まわりの書類もあわせて整えておきたいときは、委託契約書を確認するときに見ておきたいところも役立ちます。
最後に

票は毎年たまっていきますが、保存のルール自体は5年でずっと同じです。 今日「起算はA票=交付日/B2・D・E=送付を受けた日」「年度でまとめる」のふたつが頭に入れば、それでもう前に進んでいます。
一度、年度で並ぶ仕舞い方にしておけば、検査の連絡が来ても落ち着いて取り出せます。 たまっていく書類とちゃんと向き合えている時点で、もう丁寧な仕事ができています。