
がれき類の分別|コンがら・アスがら・土砂の分け方と再生の流れ
「解体現場から出たコンクリートのがら、うちの許可で運べるんだったっけ」——。 現場に着いてから、そんなふうに一瞬手が止まることはありませんか。
がれき類は量がまとまって出るぶん、分け方ひとつで処分費も再生の行き先も変わります。とはいえ、似た名前の品目が並んでいて、どれがどれだか一度で覚えきれるものでもありません。この記事では、現場で迷いやすいところに絞って、確認しやすい順に整理します。
結論:がれき類は「工作物の新築・改築・除去にともなって出たコンクリートの破片など」を指します。まず現場では、コンがら(コンクリート塊)/アスがら(アスファルト・コンクリート塊)/土砂 の3つを混ぜないことから始めると、そのまま再生に回しやすくなります。コンがらは再生砕石に、アスがらは再生アスファルト合材に、それぞれ別のルートで生まれ変わるためです。なお土砂(建設発生土)は廃棄物処理法上の廃棄物にはあたらず、マニフェストの対象外です。ここが混ざると、がら全体が受け入れてもらえないこともあります。
迷ったときは、次の順番で確認すると進めやすくなります。
- そのがらが「がれき類」にあたるか、出どころで確かめる
- コンがら・アスがら・土砂を、置き場から分ける
- 受入で止まりやすい混じり物がないか見る
- 許可証の品目欄と、契約・マニフェストの種類をそろえる
何が起きているか
がれき類でつまずきやすいのは、「似た品目が別々に存在している」ことです。
産業廃棄物の種類のなかには、がれき類 とは別に ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず という品目があります。名前にどちらも「コンクリート」が入るので、現場で取り違えやすいところです。
分かれ目は、どこから出たかです。
- がれき類:工作物(建物・道路・構造物など)の新築、改築、除去にともなって出たコンクリートの破片、アスファルト・コンクリート塊、レンガくずなど。つまり 解体・工事の現場から出たがら。
- ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず:コンクリート製品の製造工程で出た不良品やくずなど、工作物の解体以外から出たもの。廃石膏ボードもこちらに含まれます。
同じ見た目のコンクリート片でも、解体現場から出れば「がれき類」、二次製品の工場から出れば「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」になる、ということです。
ここを取り違えると、許可品目・委託契約書・マニフェストの種類がそろわなくなります。品目の全体像をもう一度見ておきたいときは、産業廃棄物20種類の分類を現場で迷わない早見表を横に置くと確認しやすいです。
現場での分け方

1. コンがら・アスがら・土砂を混ぜない
がれき類の分別は、まずこの3つを分けるところからです。
- コンがら(コンクリート塊):破砕・選別して 再生砕石(再生クラッシャラン) になります。路盤材や埋戻し材として使われます。
- アスがら(アスファルト・コンクリート塊):破砕・選別して 再生アスファルト合材 の材料になります。加熱して再び舗装に使われるため、コンがらとは処理設備が違います。
- 土砂(建設発生土):そもそも廃棄物処理法上の廃棄物にはあたりません。マニフェストの対象外で、工事現場間の流用や土砂の受入先での取扱いになります。
コンがらとアスがらは、行き先の設備が別です。混ざると分けなおす手間が発生し、そのぶん単価に反映されたり、受入を断られたりすることがあります。逆にきちんと分けておけば、どちらも再資源化のルートが確立している品目なので、資源として回しやすくなります。
土砂が多く付着したまま持ち込むと、破砕機にかける前の選別が増えるため、こちらも敬遠されやすいところです。積み込みの前に、ざっと土を落としておくだけでも扱いが変わります。
2. 受入で止まりやすい混じり物を見る
がらの山にこれらが混ざっていないか、積み込みの前に一度見ます。
- 木くず・廃プラ・ビニール:解体現場では必ず出ます。再生砕石の品質に直接ひびくので、いちばん嫌われる混じり物です。
- 石膏ボードの破片:白い板状のものが混ざっていたら要注意です。品目も処理ルートも別で、水に触れると硫化水素が発生するおそれがあるため、埋立の方法も限定されています。
- 鉄筋・金属片:コンクリートに付いたままの鉄筋は、通常そのまま受け入れて磁選で回収されることが多いですが、単体の金属くずは別品目です。ここは処理業者の設備によって扱いが分かれるので、契約時に確認しておくと安心です。
- 石綿を含むおそれのあるもの:古い建物の解体では、成形板などに石綿が含まれている可能性があります。判断に迷うがらは、混ぜる前に止めるのが原則です。見分け方は石綿含有廃棄物の分別と運搬|2つの区分の見分け方にまとめています。
混じり物を減らす仕組みづくりそのものは、混合廃棄物を減らす現場分別のコツと容器の決め方の考え方がそのまま使えます。一度に全部を分けようとせず、いちばん多いものから一つ抜く、という進め方です。
3. 置き場と表示をそろえる
分け方を決めたら、置き場と表示をセットで用意します。
- 区画を分けて、コンがら・アスがらの置き場を固定する
- それぞれに種類名を大きく表示する
- 飛散・流出を防ぐため、高さや囲いなどの保管基準を満たす積み方にする
保管の基準そのものは産廃の保管基準|囲い・掲示板・高さの確認ポイントで確認できます。がれき類は重量物なので、積み上げすぎると崩落の危険があります。勾配の目安も含めて、一度見直しておくと安心です。
4. 許可証・契約書・マニフェストをそろえる
最後に、書類側の確認です。ここがそろっていないと、現場でどれだけ丁寧に分けても手戻りになります。
- 許可証の品目欄に「がれき類」があるか。「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」とは別の品目なので、両方を扱うなら両方の記載が要ります。
- 委託契約書の産業廃棄物の種類欄が、実際に運ぶ品目と一致しているか。
- マニフェストの種類欄も同じく一致しているか。コンがらとアスがらはどちらも「がれき類」ですが、数量の単位(t/m³)は現場と処理業者で認識をそろえておくと差異が出にくくなります。単位の考え方はマニフェストの数量単位|t・m³・kgの使い分けと換算を参考にしてください。
建設現場から出る廃棄物は、原則として元請業者が排出事業者になります。誰がマニフェストを交付するかで迷ったときは、建設工事の産廃マニフェスト|元請と下請どちらが交付するにまとめています。
あわせて知っておきたいこと
一定規模以上の解体工事などでは、建設リサイクル法により、コンクリート、コンクリート及び鉄からなる建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4品目(特定建設資材)について、分別解体と再資源化が求められます。コンがら・アスがらを分けることは、廃棄物処理法の話であると同時に、この分別解体の実務そのものでもあります。
対象になる工事の規模や届出は工事の発注者・元請側で判断される部分ですが、収集運搬・処理を受ける側でも「なぜ現場で分けられているのか」を知っておくと、打ち合わせの話が早くなります。対象規模は工事の種類ごとに決まっているので、案件ごとに元請に確認するのが確実です。
明日やること
明日できる一歩は、書類1枚と置き場1か所の確認です。
まず、自社の許可証を開いて、品目欄に「がれき類」があるかを見ます。あわせて「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」の記載の有無も確認しておくと、工場から出るコンクリートくずの話が来たときに慌てません。
そのうえで、がら置き場を一度のぞいて、コンがらとアスがらが同じ山になっていないかを見てみてください。混ざっていたら、次の搬入分から置き場を2つに分ける——それだけで、再生に回しやすい形に一歩近づきます。
現場で使えるチェックリスト
- そのがらの出どころ(解体か、製品製造か)を確認した
- がれき類と「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」を区別できている
- コンがら・アスがらの置き場を分けている
- 土砂(建設発生土)を、がらと混ぜていない
- 木くず・廃プラ・ビニールの混入を積込み前に見た
- 石膏ボードの破片が混ざっていないか確認した
- 石綿を含むおそれのあるものは止めて、別に確認した
- 保管の高さ・囲い・飛散防止が基準を満たしている
- 許可証の品目欄に「がれき類」がある
- 委託契約書・マニフェストの種類欄が実際の品目と一致している
- 数量の単位(t/m³)の認識を処理業者とそろえた
最後に

がれき類は、産業廃棄物のなかでも量がまとまって出る品目です。そのぶん、置き場を一つ分けるだけで効果が見えやすい分野でもあります。
品目の名前が似ていて迷うのは、あなただけではありません。現場で一度立ち止まって確かめている時点で、いちばん大事なところは押さえられています。
全部を今日整えなくて大丈夫です。まずは置き場を2つに分けるところから、ひとつずつ進めていきましょう。